2011年12月から2012年11月までに中国大陸で刊行されたミステリリスト(その6)

'12.05

日本の作品
  • 岛田庄司『占星术杀人魔法』

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)

占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社ノベルス)


→既に何度かこの本は刊行されていて、これはおそらく装幀を変えた決定版。
ただし、内容は改訂完全版には準拠してないと思われる。

  • 岛田庄司『斜屋犯罪』

斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス)

斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 (講談社ノベルス)


→『占星術殺人事件』と同じく。島田荘司作品集として装幀を合わせるための刊行かと。

刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)

刺青殺人事件 新装版 (光文社文庫)


初稿・刺青殺人事件―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)

初稿・刺青殺人事件―昭和ミステリ秘宝 (扶桑社文庫)


→満を持しての刊行。どの原稿を元にしての訳かは不明。

  • 东川笃哉『推理要在放学后』

放課後はミステリーとともに

放課後はミステリーとともに


→台湾版とは訳者が違います。

双頭の悪魔 (創元推理文庫)

双頭の悪魔 (創元推理文庫)


→日本でも二分冊で刊行されたことのないこの作品、中国ではなぜか二分冊。字数的には減っているはずなのですが……

スラッシャー 廃園の殺人 (講談社文庫)

スラッシャー 廃園の殺人 (講談社文庫)


→日本語版のタイトルの意味が半分ぶっ飛んでる……(確か創元の『シェルター』と同一シリーズだったはず……)

  • 绫辻行人『绯色杀人耳语』

緋色の囁き (講談社文庫)

緋色の囁き (講談社文庫)

  • 绫辻行人『暗黑杀人耳语』

暗闇の囁き (講談社文庫)

暗闇の囁き (講談社文庫)

  • 绫辻行人『黄昏杀人耳语』

黄昏の囁き (講談社文庫)

黄昏の囁き (講談社文庫)


綾辻行人の「囁き」シリーズは、三冊まとめての刊行。二ヶ月前の『Another』と合わせて、読む方は嬉しい悲鳴だったのではないでしょうか。

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)


→刊行確認時にTwitterの方でもお知らせしましたが、翻訳、がんばってました。訳者の方、お疲れさまでした。

  • 大泽在昌『新宿鲛2:毒猿』

毒猿―新宿鮫〈2〉 (光文社文庫)

毒猿―新宿鮫〈2〉 (光文社文庫)

  • 大泽在昌『新宿鲛3:尸兰』

屍蘭―新宿鮫〈3〉 (光文社文庫)

屍蘭―新宿鮫〈3〉 (光文社文庫)


新宿鮫も着々と翻訳が進んで参りました。

欧米の作品
  • 爱德华•霍克『不可能犯罪诊断书4』


→内容に若干の異同はありそうだけれど、のホーソーン医師の事件簿第四弾。

  • 弗雷德里克•福赛思『豺狼的日子』

ジャッカルの日 (角川文庫)

ジャッカルの日 (角川文庫)

  • 弗雷德里克•福赛思『阿富汗人』



→デビュー作と最新作の一個手前が翻訳されるという。

  • 詹姆斯•帕特森『伦敦罪:奥运惊魂』

Private Games

Private Games


→翻訳がパタン、と止まったきりのジェームズ・パターソン二〇一二年の九一冊目の著書。

  • 埃勒里•奎因『埃勒里•奎因作品集01:希腊棺材之谜(修订版)』

ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)

ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)


→日本でも新訳刊行の始まったクイーンの国名シリーズの四冊目(のはず)。

  • 多萝西•L•塞耶斯『九曲丧钟』

ナイン・テイラーズ (創元推理文庫)

ナイン・テイラーズ (創元推理文庫)


→アマゾンを見る限り再刊のよう。シリーズはほかの出版社でコンスタントに刊行されているのに、ぽつんとこれだけ別の出版社。

  • 比尔•普洛奇尼『中枪』

迷路 (徳間文庫―名無しの探偵シリーズ)

迷路 (徳間文庫―名無しの探偵シリーズ)


→名無しのオプ……

  • 威谦姆•加普•豪治森『幽灵猎手』

幽霊狩人カーナッキの事件簿 (創元推理文庫)

幽霊狩人カーナッキの事件簿 (創元推理文庫)


→ゴーストハンターものの元祖が、ついに。

  • 柯林斯『世界文学经典读本:月亮宝石(英文版)』

月長石 (創元推理文庫 109-1)

月長石 (創元推理文庫 109-1)


→英語学習用の本、でしょうか。長いのであまり向いているようにも思えませんが……

  • 阿瑟•柯南•道尔『世界侦探小说经典名著:福尔摩斯探案全集(套装共4册)(插图版)』

→またお前かー、のホームズ全集。この短期間で一体何バージョン刊行されてるんでしょうねえ……

  • 阿瑟•柯南道尔『青少年不可不读:福尔摩斯探案全集』

→若者は読むべき、とタイトルに付けられたホームズ全集。なんどめだホームズ……

  • 福尔摩斯探案集 柯南•道尔

→またしてもホームズ。正直、バカのひとつ覚えでホームズを出すのはダメだと思う……

  • 阿瑟•柯南•道尔『血字的研究(英汉对照)』

緋色の研究【新訳版】 (創元推理文庫)

緋色の研究【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 阿瑟•柯南•道尔『恐怖谷(英汉对照)』

恐怖の谷 (創元推理文庫 101-8)

恐怖の谷 (創元推理文庫 101-8)

  • 阿瑟•柯南•道尔『四签名(英汉对照)』

四人の署名 (創元推理文庫 101-6)

四人の署名 (創元推理文庫 101-6)

  • 阿瑟•柯南•道尔『巴斯克维尔的猎犬(英汉对照)』


→この四冊は英語と中国語対照の本と言うことで、おそらく英語学習用なんじゃないかなあ、と思います。ただ、ドイルの英語っていまの英語と相当違いますよね……

  • 新探案(插图中文导读英文版) 阿瑟•柯南•道尔


→上の四冊とは違う出版社の同様の本。柳の下の泥鰌狙いか……

中国オリジナル作品
  • 那多『世界尽头(附赠末日逃亡手册)』

→マヤの予言が華やかなりし時に刊行された、終末関連のホラーだかミステリだか。

  • 高铭『谋杀记忆』

→英文タイトルを"Mind Games"という、心理サスペンスもの、らしい。

  • 詹宏志『侦探研究』

→台湾の人の作品。なか見検索から見た目次によると、なんと!土屋隆夫インタビュウが掲載されている。ということで、これは台湾の人によるミステリ解説本、らしい。

  • 詹宏志『詹宏志私房谋杀』

→上に同じく台湾の人の本。目次を参照すると古典ミステリのタイトルばかり……読書ガイドのようです。

  • 柳易, 戚小双/編 『悬疑志•踮起脚尖就成鬼』

→和訳すると「サスペンスマガジン」、とでもなるでしょうか、の二〇冊目。

  • 易安年『一个丧乐手亲历的诡异事件:"莲蓬鬼话"的捉鬼奇闻』

→"喪楽手"という職業の人間の出会った事件、という体のシリーズ一作目。葬式音楽家、なのかな?

  • 老钟『沉默猎杀』

→女性モデル連続殺人事件を描いた作品のよう。著者紹介に「美男」と書いてあるのはどうにかならんもんか。

  • 野兵『雨夜杀人游戏』

→アマゾンの登録タイトルは上のようなのですが、書影を見ると雨夜"の"杀人游戏となっており。
果たして中国人で読める人が多いのか疑わしいですが、"の"を使ったタイトルはよく見かけます。

  • 叶克友『一分钟破案(套装共5册)』

→英文タイトルは"A Minute of Solving"。
一分間ミステリー、なのですが、五冊もの分量一分間で読めるミステリを一人で書けるものなのでしょうか……

  • 梁丙『六重游戏:双面佳人的血色情债』

→六つのゲームと六つの事件、らしい。凄く設定倒れしそうなあらすじ……

  • 可可西儿『不可饶恕』

→スリーピング・マーダーもののよう。過去にあった事件が目を醒ましてしまう、という。